昨日は車を飛ばして六甲で夜景を見に行ってきた。
六甲山から見える夜景はすごくきれいで、すごく排他的に見えた。
展望台にはカップルが身を寄せ合っていて、男だけで構成されていた僕らはひどく場違いなように思えた。
しばらく夜景を眺めていたけれど、あまりにまぶしかったので僕は途中から夜景を見るのをやめて、雲を通して見える月を見ることにした。
ギラギラと光っている夜景は僕の心をかき乱し不安定にするけれど、月はなんだかどっしりと僕を守ってくれているような気がする。
夜景を見て綺麗だねと言いあっているカップルと同じ空間で、僕はしばらく月を見ていた。
気づくと他の仲間は寒さに耐えられず車へ向かおうとしていた。それに気づいたとたん、急に寒さを感じて僕もその輪に加わった。
帰りの車の中では一通り夜景がきれいだったねという感想が言い合われていたけれど、僕は助手席でぼんやりと雲に半分隠れた月を思い出していた。
恋人を連れてきていない僕らはやっぱり招かれざる客だったのかな、と思いながら僕らは車を走らせカップルが今も見ているであろう夜景の一部と化していった。